2009年1月24日土曜日

IGDA セミナー その2

前回の続き。セッションを行ったおふたりを含めた、スクリプトに縁のある開発者によるパネルディスカッションについて。

司会者の質問にマル・バツのパネルを出し、その理由についてコメントする…という段取りになってました。実を言うとどんな質問があったかあんまり覚えてないので超ダイジェストで書きます。

「プロダクトにオープンソースなスクリプトを組み込むのに社内の抵抗はなかったか?」という質問では以外にも「スムーズだった」という意見が多かったです。ただ、大手かつ、オープンソース実装(Squirrel)の導入経験ありなのはスクエニの方だけだったので日本のゲーム業界全体でどうかって言う点に関しては未知な感じです。

「スクリプトを導入すると安上がりか?」という問いに元スクエアの方曰く、「(RPG 制作において)プランナーが自身で次々イベントを作成できるようになった結果、ゲームのボリュームが増えたがバグチェックが大変で"安上がり"にはならなかった」。バグチェック云々はプログラマとして耳の痛いところですが、メンバーのやる気がダイレクトに内容の充実につながるのは素晴らしい成果のように思います。

あと「ぶっちゃけスクリプトの導入はプログラマの趣味ですか?」という質問でハッカー気質の人(というのは勝手な印象ですが)ほど「そうです」というニュアンスの返答だったのが面白かったです。実際、新しいことにチャレンジするのは楽しいですからねー。

時間が押してたせいで最後の方に用意されていた割かしディープな質問が省かれてしまったのが残念でした。早回しされたスライドを見る限り「それ聞いて欲しかった!」というものがあったので次回以降にまたやってもらえると嬉しいですね。

2009年1月20日火曜日

IGDA セミナー

IGDA の「ゲームにおけるスクリプト言語の現状」というセミナーに行ってきました。定員 150 名で満員の大盛況。主催の方も「3人くらいしか来ないかもなあ」と思ってたみたいなことを行っておられましたが、実際は結構大きい教室にびっしり聴衆がいるという状況で、是非次回もまた開催したいとのことでした(全3回~5回らしい?)。

最初のコマは Lua 解説本の著者の方で、ぶっちゃけこの方のブログは以前仕事で Lua を使っていたときに相当参考にしてたりします。ありがたやありがたや。内容はスクリプトと Lua の入門編という性格が強く、個人的にはおさらい、という感じでした。

次は CRI 米国法人の方(日本人です)のセッションで CRIScript という、乱暴に言えばゲーム用 Java script をオープンで開発している方です。苦労話から構文解析までかなり濃いものでした。

これまたセッションされた方のブログは読んでたので CRIScript 自体は知ってたんですが Java script かぁ…という感じで若干スルー気味でした。

実装の解説を聞いての感想は、コルーチンクロージャが未実装なのが(ToDo には入ってましたが)辛すぎるなと。

このふたつがあればゲーム場面の遷移なんかをかなり楽に書けるのですが、逆に無い場合、僕のスクリプト導入の主なモチベーションである「C++ 的に書くとダルい部分を補う」が失われてしまうのです。

ただ、これまでは会社の看板を掲げてるスクリプトが存在しなかった訳で、メーカー側としては導入の敷居が下がって良いんではないでしょうか。国内ではスクリプトというもの自体が胡散臭く見られかねないので、この点は以外に重要です。まだベータですしこれからの展開が楽しみです。

このあとパネルディスカッションがあったのですが、エントリーが長くなったので別途書いていきたいと思います。